
あること ↩︎ ないこと
ないことから出るもの
人類の歴史でさまざまな形で行われてきた差別を、新たな分類を通じて先入観なしに体験する。それを通じて、差別の無意味さや滑稽さなど、自分の経験として再解釈する。 また、現代にもそのような差別が実は暗黙のうちにあり、それに踊らされているのではないか、と自らを問い直す。そして、それがテクノロジーを通じて行われることから、統計的なバイアスとしてさらに加速する可能性、それに対し科学を理由に加担する危うさを見つめる。
展示の中へと歩いて入っていくと、鑑賞者はディスプレイの指示で撮影される。その画像に対する機械学習的手法により「診断」が行われ、鑑賞者は「良し悪し」を判定される。それに基づき、過去の差別の様式を模した「区別された入口」を鑑賞者は進む。 現代的手法と歴史的モチーフ、そして「あること ▢ ないこと」の文脈が混在した場を通ったのち、その診断の意味を一部説明する。それを受けて鑑賞者は体験全体を再考できる。