

あること lim{t→∞} ないこと
森羅万象、無限の時の末にある忘失
無為にも流れていく時間の中で生きながら、自分自身の命も、生まれてくるはずだった命も、失われてしまった命も、すべて等しく刻々と消失へ向かい忘れられていくのがこの世である。それでも縫い留めておきたいと思える存在や記憶のまばゆさ・愛おしさと、自然と対立するほど驚異的な力を持ってしまった現代の人間もやはり自然の一部でしかないのだという受容の精神を描く。
本作品は、パフォーマンス作品『影縫い』の舞台美術を再構成した体験型インスタレーションである。空間全体をひとつの砂時計に見立て、落ちた砂を人の手で掬い上げながら、時をつなぎ続けることができる。 会場では一定時間ごとに短いパフォーマンスを行い、空間の意味が変化していく様を体感できる。