
あること ないこと
ここにある私とここにない私
顔の見えない誰かを追い詰める、そんな風景を誰もが一度は目にしたことがあるだろう。その誰かは誰でもよく、簡単ではないほど面白く燃え上がる。しかし、その誰かは本当に自分とは関係のない他者なのだろうか。もしかしたら、それは自分自身と表裏一体の存在なのかもしれない。本作品では、顔の見えない誰かを追い詰めた先で明らかになる存在が、指差されていた誰かと自分自身の関係性を問う。
本作品は、鑑賞者が顔の見えない誰かを指先で目的地まで追い詰め、そのヴェールを剥がす体験型展示である。顔の見えない誰かを追い詰める過程は鏡越しに映った道を辿る鏡像描写になり、思い通りに動かすことは困難である。その道を辿った先に、何が見えるのか。顔の見えない誰かを指先で追い詰め、その先で”誰か”が明らかになったとき、客体と主体の関係性が再構築される。